前の記事では、お金は幸せになるための「目的」ではなく「道具」やと思う、と書きました。
今回は、その道具を守り、少しずつ育てていくために、お父さんが大切やと思っていることを書きます。
それは、国が作る制度や税金の仕組みに敏感になることです。
君たちが大人になるころには、今の制度は変わっているかもしれません。だから、NISAやオルカンをそのまま正解として覚えてほしいわけではありません。
残したいのは、制度が変わったときに気づき、自分で調べて判断できる力です。
同じように働いても、制度を知っているかで差がつく
働いて給料をもらい、余ったお金を貯める。
それだけでも間違いではありません。でも社会には、知っていれば使える制度があります。
たとえばNISAです。
普通に株や投資信託へ投資すると、利益や配当には税金がかかります。NISAは、一定の範囲内で得た利益が非課税になる制度です。
同じ商品へ同じ金額を投資しても、制度を使うかどうかで、最後に手元へ残る金額が変わることがあります。
国が個人の資産形成を後押しするために用意した制度なら、まずは内容を知り、自分に合うか考えてみる。
制度を使うかどうかは、そのあと決めればいいと思います。
知らないまま選択肢から外れてしまうことが、いちばんもったいないからです。
お父さんは、NISAでオルカンを月10万円積み立てている
2026年現在、お父さんはNISAを使って、オルカンと呼ばれる投資信託を毎月10万円積み立てています。
オルカンは、日本を含む先進国や新興国など、世界中の株式へ広く投資する商品です。
一つの会社や一つの国だけへ賭けるのではなく、世界全体へ分散する。その考え方が自分には合っていると思い、選びました。
ただし、月10万円という金額が誰にとっても正解なわけではありません。
収入も生活費も、近いうちに必要になるお金も人それぞれです。お父さんも、自分の生活を壊さずに続けられる範囲を考えて今の金額にしています。
君たちが将来投資をするなら、金額をまねするのではなく、自分が無理なく続けられる金額を考えてください。
「15年以上なら絶対に増える」わけではない
お父さんは、オルカンを短期間で売って利益を出すために買っているのではありません。15年以上の長い時間をかけて持つつもりで積み立てています。
過去の世界株式のデータを見ると、保有期間が長くなるほど、一時的な値下がりの影響がならされ、損失の可能性が下がる傾向がありました。
ただし、ここは勘違いしてほしくありません。
「15年以上持てば、必ずプラスになる」という約束ではありません。
オルカン自体は2018年に設定された投資信託なので、2026年現在、商品として15年以上の実績はまだありません。長期投資の説明で使われるのは、世界株式の指数などの過去データです。
過去に増えてきたからといって、未来も同じになる保証はありません。世界全体へ分散していても、景気後退、戦争、感染症、為替の変動などで大きく下がることがあります。
投資は、増える可能性と一緒に、減る可能性も引き受けるものです。
そのうえでお父さんは、世界経済が長い目で成長していく可能性にお金を置き、時間を味方につける方法を選んでいます。
長期投資で難しいのは、商品選びより続けること
積立投資は、設定だけなら簡単です。
でも、実際に大きく値下がりすると怖くなります。周りの人が別の商品で儲けていると、乗り換えたくなります。すぐに増えないと、続ける意味がないようにも感じます。
そんなときに慌てて売らずに済むよう、生活費や近いうちに使うお金まで投資へ回さないことが大切です。
投資を続けるには、値下がりへ耐える根性よりも、値下がりしても生活に困らない準備が必要やと思います。
ふるさと納税も、言葉だけで覚えない
制度を知るという話は、NISAだけではありません。
たとえば、ふるさと納税があります。
よく「節税になる」と言われますが、単純に払う税金が安くなる制度ではありません。選んだ自治体へ寄附をして、上限の範囲内なら、自己負担の2,000円を除いた金額が所得税や住民税から控除される仕組みです。
返礼品だけを見ていると得した気分になります。でも、上限を超えれば、その分は控除されません。手続きが必要な場合もあります。
ほかにも、医療費控除、生命保険料控除、住宅ローン控除など、暮らし方によって使える制度があります。
大事なのは、「みんなが得と言っているから使う」ことではありません。
何のための制度で、誰が使えて、自分の場合はいくら影響するのか。そこまで調べてから判断することです。
SNSや動画は入口。最後は一次情報を見る
お金に関する情報は、SNSやYouTubeで分かりやすく学べます。お父さんも、そうした情報から新しい制度を知ることがあります。
でも、大きなお金を動かす前には、できるだけ元の情報まで確認してほしいと思います。
NISAなら金融庁、所得税なら国税庁、住民税やふるさと納税なら自治体や総務省。
発信者が間違っている場合もあれば、情報が古くなっている場合もあります。自分に当てはまる条件だけが、動画では省かれていることもあります。
分かりやすい人から概要を学び、最後は制度を運営するところの情報で確かめる。
この習慣は、お金を守る力になると思います。
銘柄ではなく、学び続ける姿勢を残したい
君たちが大人になったとき、NISAという名前が残っているかは分かりません。オルカンより良い選択肢ができているかもしれません。
だから、お父さんと同じものを買ってほしいわけではありません。
国の制度が変わったら、「自分に関係あるかもしれない」と一度調べること。
簡単に儲かるという話を、そのまま信じないこと。
分からないものへ、分からないまま大切なお金を出さないこと。
そして、一度選んだ方法も、ずっと正しいと思い込まないこと。
お父さんも、まだ勉強している途中です。今の投資方法が未来まで正解だとは思っていません。
それでも、知らないままにせず、自分で調べて選び直していくことは続けたいと思っています。
お金の制度を学ぶのは、誰よりもお金持ちになるためではありません。
君たちが将来、自分の人生を自分で選べるようにするためです。

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